やりたい仕事を見つけ、「これだ！」という求人を見つけても経験者優遇の文字があるとなんとなく尻込みしてしまうのではないだろうか。雇う側から見た場合、未経験者より経験者の方がありがたいのは当然である。業界の基本知識が身についており、さまざまな場面に対応してきた人材には一から教育をする必要がなく、またさほど時間を割かれることもない。そのうえ、資格等保持者であれば即戦力であり、業績にも早々に関わってくれるのではという期待が持てる。したがって、未経験者より経験者を給与や手当・昇進面において上に置くという体制はごく普通であるといえる。

しかしこの言葉も意味が広く、単にかじっただけでも良いというもの、反対にみっちりキャリアを積んでいなければならないもの、そしてその中間というように求人側の事情でとらえ方は変わってくる。大層な経験がなければ応募は無理だと思う人は多いだろう。また未経験なら応募自体を断られてしまうと最初からあきらめる人もいるだろう。だが、これは本当にもったいないのだ。

求人広告は、限られたスペースの中で最低限の情報を提示し、かつ望む人材にアピールするものだ。そこに収まらなかった補足内容はどの求人にも必ずある。それに経験者優遇であって、未経験者不可ではないのだ。未経験者であっても意欲のある好ましい人材であれば良しとする求人もある。

あきらめるのはまだ早い。たった今からでも業界に関する本や新聞を丹念に読みあさり、ネットで調べる。最初は表面をさらっただけのような知識であってもそれも蓄積になる。もし採用となればそれからは、キャリアを積むべく日々勉強を重ねるといい。そうして将来的には優遇される立場の経験者として活躍していけばよいだけなのである。